2017年8月19日土曜日

寺崎浩平選手のドーピング検査についての憶測

2017/08/18に寺崎浩平選手のドーピングコントロールの公益財団法人日本スポーツ仲裁機構からの判決が下された。

以下は公式な仲裁判断の文面だ。
http://www.jsaa.jp/award/DP-2016-001.html

国内初のドーピング違反者が出たということで08/17にも記事になっていた
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017081701107&g=spo

とは言え別に国内選手がドーピング検査に引っかかったことは以前にもある。

競輪選手としても名高い神山雄一郎選手が1998年のバンコク・アジア大会でドーピング検査に引っかかって銀メダルを取り消されたことがある。
もっとも神山選手の場合は風邪薬の成分がドーピング禁止の薬剤の中に含まれていたというもので軽微な処分に留まっている。

さてここからが本題なのだが、寺崎浩平選手の場合には検出された成分が以下のものである。先ほどの文面から抜粋した。

① 1-テストステロン(1-testosterone)
② 1-アンドロステンジオン(1-androstenedione)
③ 1-デヒドロエピアンドロステロン(1-DHEA)
④ 1-アンドロステロン(1-androsterone)

⑤ 1-アンドロステンジオール(1-androstenediol)

これはわからない人にはよくわからない成分だろうがぶっちゃけた話これは筋力増強剤、いわゆるステロイドの部類に入る。
これが尿検査で発覚したというのだから紛れもなくドーピングとして考えてもらって間違いない。

記事にもあるとおり元々は4年間の出場停止に値するド本物のドーピングだ。

ただ今回に限って言えば自身で摂取したサプリメントを自ら提出し判断を仰いだという潔癖の証明と反省の色が強いこと。
そして該当のサプリメントに禁止薬物が入っていることが明記されていないこと。
そして寺崎選手自らも調べた限りでは該当のサプリメントでドーピングコントロールに引っかかった人がいないということである。

以上のことが理由となって4年の資格停止処分が4ヶ月の資格停止処分へと軽減された。

判決文を読む限り寺崎選手の錯誤によって引き起こされた結果であり厳しすぎる処分であるから情状酌量の余地があるとのことだ。


さて、ここからが俺としての憶測を含む本題だ。

寺崎選手が摂取したサプリメントと購入先は以下のリンクに示す1-プロテインというサイトのガスパリ社の製品ANAVITEと書かれている。

http://www.1protein.com/front/product_detail1.asp?product_id=483

実際の所アマチュアの選手はそんなにサプリメントにかけるお金も無いので安く使用できる海外のサプリメントを使用することも多い。
だがオリンピックを目指すような選手なら国内製品であれば「日本アンチ・ドーピング機構の公式認定商品」としての認定マークの付いた製品を使うのが当たり前である。
以下のリンクに示したマークが印刷された商品であればまず問題は無い。
問題があったとしたらこれは認定した機関の責任である。


http://www.playtruejapan.org/qualified/

しかし寺崎選手はそうは考えなかったようだ。
また身近な選手も使用しているとも書かれている。

しかし、先ほどのANAVITEの販売先をご存じだろうか?
判決文では信頼性の高いブランドと書かれているが俺に言わせれば全くのお笑いぐさである。
悪名高きステロイド販売会社として名高いガスパリ社である。
以下のリンクはガスパリ社の販売する有力商品ハロドロールの販売サイトだ。他にもハロドロールで検索すればいくらでも出てくるだろう。

http://heroshop.jp/?pid=106133593

ここにも書かれているとおり
「ドーピングテスト対象選手は使用禁止」
とかかれているアナボリックステロイドを堂々と販売している会社なのだ。

また商品名にもあるとおりアナボリックを連想させるような商品名をつけるような会社でもある。ドーピングに関してははっきり言って真っ黒な会社だ。

海外の安いサプリメントを使うにしても選んではいけない会社の一つに挙げられるだろう。

またステロイド成分がANAVITEの含有成分に含まれていないことも理由になっているがこれもおかしな話である。

たしかに含有成分としては書かれていないが信用できる会社では無いためはっきり言って何が入っているかわからないし誰も証明してくれていないサプリメントだ。

またこの商品にはβアラニンも含まれている。
これは筋肉増強作用は無いとされているが体がビリビリと痺れるような感覚があり筋肉に効いているように実感させる成分だ。
オリンピックを目指すような選手が使うようなものではない。

そして本人自ら提出したANAVITEから上記のステロイド成分が検出されたために処分が軽減されたようだ。


ここからは俺の完全な憶測であり寺崎選手が意図していたものかどうかはわからない事を認識して文章を読んで欲しい。

アナボリックステロイドはものにもよるが一定期間使用し筋肉に溶ける脂溶性のものが使われる。これは使用している間と使用をやめてから一定期間は体に留まり続ける。その残留期間は3ヶ月から半年程度とも言われているがはっきりしたことはわからない。
(一時的にしか効果が無い回復用の水溶性のものも使われるがここでは除外する)

ここで問題なのは寺崎選手がアマチュア選手であることにある。
実業団所属の選手もしくはプロであれば定期的にドーピングコントロールの検査がある。まずドーピングしていれば抜き打ち検査があるのでそこでばれる。
アマチュアの場合は検査費用が高額なために通常であればドーピング検査は行われない。

何が言いたいのかというと普段はアナボリックステロイドを使用していたがドーピング検査がある国体に合わせて薬物の使用を中止しドーピングを隠蔽した可能性がゼロでは無いということだ。

しかし前述の通り薬物の成分が体から完全に消え去る期間はよくわかっていないためにうまくドーピングをコントロールできずにばれてしまったのではないか?という推測をすることも出来る。

ANAVITEで検索すればわかるが今までANAVITEでドーピング検査に引っかかった人はいないらしい。
しかしどんな状況であったかは不明だが粉末状のステロイド成分をANAVITEに混ぜて提出することは可能だったのではないだろうか?
日本ではアナボリックステロイドの使用が禁止されていないために逮捕の上家宅捜索までは出来ないからだ。

俺の憶測が全くの誤解であり単純な錯誤であったという事も当然あり得るが、実力はありながらプロ競輪選手になることは無くアマチュアの選手で居続けたためにそういった行為も可能であったのだ。

正式な判決は下ったことだしこれからやり直せる若い選手であるから将来を閉ざすようなことは言いたくはないが今後疑惑がつきまとう選手になってしまった事は間違いないだろう。