ジャンゴは非常にロジカルな映画でありつつもエンタテインメントとしても楽しめるおもしろい映画だった(;´Д`) そりゃアカデミー賞もとるよね
相変わらずバリバリネタバレするので見てない人は見てから読んでね
別に読まなくてもいいけどさ
俺は子供の頃はボードゲームをやる習慣がなかったんだけど大人になってからの友人に紹介されて時々ボードゲームをやるようになった
ドイツ産のゲームをいくつか、カタンとか有名なやつもあったりとかプエルトリコあんてゲームをやったりした
そのボードゲームの経験からいうと白人たちの子供たちはこういうボードゲームの元に社会のルールをうまく扱う教育をされているんだと思った。俺が今まで受けてきた教育では「従え」と「勉強しろ」という教育だけだったように思う。親からも学校からも含めてね
この映画ではそういう教育とルールとそして正義感が描かれている そしておまけとしてちょっとだけアクションがある
アクションのところがやたらスカッとしてしまうのでそこが本編だと思ってる人もいるかもしれないけれどそれは違うね
ジャンゴはドクターシュルツに解放されて教育を受ける シュルツの教育と行動はルールに従って法律に従って自分の正義を実行しろだ
ジャンゴをつないでいる鎖を持った奴隷商人の兄弟はその法律に従ってシュルツに殺される 無法にシュルツに銃を向けたからだ 正当防衛だね ロジカルだ そしてシュルツは殺しつつもきちんとジャンゴの代金を支払う 法律だからね そうやってシュルツは自分自身が持っている正義感を執行する 賞金稼ぎを仕事にしてるけどこれも法律内のルール内の行動だよね 生死を問わず賞金首をつれてこいだからね
ジャンゴはまず教育を受ける
このへんはまゆおうでもやってたかな ただ鎖につながれた「無能な人」なだけのジャンゴがシュルツによって法律とルールを使いこなす「人」へと教育される
序盤のアクションでシュルツとジャンゴを襲うKKKっぽい人たちもロジカルに描かれる 表だっては理性にしたがっているジェントルマンな農場主の白人でもKKKの仮面を被ったら袋からろくに周りも見えないよってね こいつらを殺すのも正当防衛だからだね
それでちょっとジャンゴはお姫様のブルームヒルダを助けに行くジークフリードになれるんだよっていう物語のアウトラインが知らされる ここはちょっとロジカルじゃないよね お姫様を助けたいっていうのは理屈じゃないからね でもそれでいいんだ そういう話だから
シュルツによって教育されたジャンゴは銃も教わってまあ強くなる ジャンゴは最初は自分で着る服を選んでもいいという選択肢もなかった奴隷だったけどこの頃にはきちんと「人」になってるね
それで今度ジャンゴはヒルダ姫を助けに行く訳なんだけど、今度の敵は真っ当な悪役白人なんだ 悪人では無い本当にきちんとしたジェントルマン ちょっと奴隷同士を戦わせて楽しんだりそれで奴隷を殺しちゃったり拷問したりするけどこれは個人の趣味の問題で全く問題がない 個人の所有物である奴隷にしか手出ししないんだから
こうなってくるとシュルツは今までの方法では敵を倒せないんだよね この頃のジャンゴはまだ教育されただけのまだ「人」になっただけの人間だから真っ正面から取引しようとしてシュルツに止められたりもする この頃のジャンゴはまだルールっていう鎖に縛られているんだね そしてシュルツも だけどシュルツはルールを使いこなしているのでルール内で嘘をついて取引までたどりつく作戦を思いつく とてもロジカルだ それに最初に書いたボードゲームの話にもつながったね 白人ってこういうことなんだねって描かれる
そして今度はシュルツによってジャンゴが奴隷商人の振りをさせられる
そして奴隷商人の訳を演じきれと
その途中でダルタニアンっていう逃げ出した奴隷が殺されるんだがこれをシュルツは許せない でも今度はジャンゴに止められるんだよね ジャンゴも本当は助けたいと思ってるんだけど奴隷商人の役だからね その止める声を断ち切ってダルタニアンを殺させるんだ ルールに従って行動してるからね ここで甘いところを見せてしまうとルール内での嘘がばれてしまうから でも見てる人には本当にこれでいいのかなっていう気持ちを起こさせる 非常にロジカルですね いままでのルールで処理できない正義感が芽生えてくるでしょう?
ここまでは正義感のロジカルな部分が説明されてる部分だね ちょっとだけアクションがあってスッキリしてた人もいるかもだけどここまでは前置き
今度はスティーブンっていう奴隷頭が本当の敵っていうことがわかってくる
表向きは白人にこびを売る振りをしてるけど本当はスティーブンが奴隷たちを支配してるんだね この辺はあまりロジカルではないけれども社会の階層を見せられる まあそれまでもジャンゴが「奴隷」から「貧乏な白人」くらいに階級アップしてきているのもかかれてるんだけどね 今度は下の方 奴隷頭をトップにして屋敷に入れる召使いの黒人とかもっと特権階級っぽいドレスを着て酒を飲んでる黒人もいる その下に屋敷に入れない肉体労働をさせられる奴隷たちもいる ヒルダは本当は奴隷の中でもちょっと上の方の階級で屋敷でメイドも出来る階級だったりもしたってことも描いてあるね ジャンゴは一番下の肉体労働だけの階級だったんだね
階級というのは割とロジカルかもしれないけど奴隷頭っていう「王」の封建制として描かれてる おもしろいのは黒人内でのルールはディカプリオの言葉で簡単に打ち破られてしまうところだね 白人内で管理された「王」として存在してるんだね 奴隷頭は
スティーブンはディカプリオにシュルツを密告して本当の目的はヒルダを取り返すことにあるって教える ここもこの映画のおもしろいところで黒人たちは自由意志で奴隷で居続けようとしてる訳じゃないっていうことと奴隷たちが自由意志で奴隷になっているっていうところを混在させているんだよね ロジカルじゃないね ルールと法律を持ってきて教育すれば奴隷は「人」にはなれるわけじゃないんだ これはディカプリオの台詞でもあるね 10000の1みたいなね 奴隷たちを鎖につないでるのは黒人たち自身でもあるんだね 奴隷の中でも特別な位置にある奴隷には奴隷って位置でも居心地が良いんだ 実はコイツ脚が悪い振りしてるけど実は脚が悪くなかったりするしな 脚が悪いっていうのは奴隷でいるっていう象徴として描いているのかな それとも白人たちと同席させてもらってるのに体まで同じだと白人と黒人が同列に扱われるってことへの配慮なのか? この配慮は白人に対してもだけど奴隷に対しても黒人は白人より下であるっていう意識付けにもなるしね 黒人はどんなに偉くなっても白人よりしたなんだと
スティーブンの密告によってシュルツはピンチ 銃を背に向けられて今度はヒルダを高額で売買するっていう契約書にサインさせられてしまう そして売買契約が成立する
そしてディカプリオはシュルツに握手を求める だけどシュルツは握手したくない 売買契約も嘘をついてまでヒルダを取り戻す手伝いをしたことも白人のもつルールに従ってきたやり方だったから でもそのルールでシュルツは屈服させられてしまうんだけどこれがおもしろくない そのルールではシュルツの正義は執行されないからね
シュルツの本当の気持ちは違うところにあったんだけど、その正義を執行するためにルールに従ってるだけだったんだね
今度のシュルツは自分の法律っていうルールを破って正義を持ってディカプリオを撃ち殺す
今度は白人側からのルールの執行だ 正当防衛だからね シュルツは撃ち殺されてジャンゴも自分を縛ってきたルールを打ち破って反撃する
この辺は爽快なアクション いままで貯めてきたものを全部出し切るくらいだったね
でもここではルールっていうジャンゴの鎖を解放したのはシュルツなんだよ
でも弾が尽きヒルダを人質に取られてジャンゴは降伏する
降伏したあとのジャンゴはまた奴隷として売られる
そのあとのジャンゴは奴隷商人の白人たちを騙して自らを解放する
ここでやっとジャンゴの本当の鎖が解放されるんだ
自分で自分を解き放ち 法律に縛られずに敵を撃ち殺す
今度はルールなんてない 自らの信じる正義にだけに従って正義を執行するんだ
ただちょっと出来が悪いところなのはシュルツが切ったアクションでの打ち合いでスッキリしちゃってるから最後の撃ち合いと屋敷の爆破のシーンの印象がちょっと薄くなってしまっていることかな
とてもロジカルな映画で結局は「正義のためならルールなんか関係ねえ!」っていうアクションをやるために最後までずっと理詰めできてるんだよね
とてもわかりやすい映画でした アクションシーンでスッキリもしたしね
あとパンフレットは買ってきたけどまだ読んでないので監督とかの言い分は俺が書いたのとは違うかもしれません(;´Д`)
これから暇なときにパンフは読むよ
4/10 追記 ジャンゴに銃の扱いを教えていて子供連れの賞金首を撃ち殺すシーン
ジャンゴはためらうけどシュルツは撃って良いという これはシュルツがルールの範囲内であったら躊躇する必要はないっていう意味だよね その白人たちのルールの扱い方に慣れろっていう意味でもある
あとシュルツが握手を拒否したって言うのは正義感とだけ書いたけどルールの範囲内ならなにをしてもいいか?ということへの拒否感でもあると思う ディカプリオと同じ仲間だろ?っていう同意に拒否したんだね 今までの我慢してきた部分のある自分へもの「我慢が出来なかった」