2013年7月1日月曜日

映像温泉芸社上映会その20『芸社、バカ映画やめるってよ』見てきた

宇宙の先輩 接触編が面白かったのでそれだけでも行った価値はあったかなと思う
SF的なモチーフとかも散りばめられてて原発関連の話の突っ込みもあってなかなかおもしろい
全体的な統一感みたいのはないんだけど個別の話をそれぞれつなぎ合わせていったような話だったけど、宇宙船の設定とか怪獣との戦闘シーンとかもなかなか作り込みしてあってあんまり飽きさせずに最後まで楽しめた
クドリャフカが宇宙の先輩って設定もなかなかロマンを感じさせてくれてるしね
まあ藤井香織はずっとアシスタントであり突っ込み役なだけだったけどいないと話が進まないし
オチもちょっとアレレ?な感じだったけど無理に落とさなくてもそのまま続くでもよかったんじゃないかなと思った でも残念と言うよりそういうのもアリかなというところ
主役のクドリャフカのキャラデザインもいい感じでトゲがないデザインだし声も感じもキャラにぴったり NHKの教育番組に出てきそうなキャラでなかなかかわいい
子供の遊び友達な感じだね
笑わせてくれるのでいいんだけど正直これをテレビで見せられるとちょっと増長かもしれない 各カットが長めに作られてるのでTVゲームのムービーシーンをここちょっと早送りしたいのにって気にさせられるかもしれない こういうのは映画で見ないとそういう時間を他のことに気が散ってしまうので youtubeで見ても飽きちゃう可能性大
これは劇場で見れて楽しかった

そのほかでは「ササザさん」と「婦警ライダー」と「コミカ3分クッキング・国会中継のヒップホップ風」が面白かった
ササザさんはコレ別に弁士の人がその場で声当てなくてもいいんじゃないですかね 普通に面白いです
ちょっと元ネタ丸分かりなので商業作品には出来ないだろうけど別に自主制作ってカテゴリに入らないプロの作品って気がしました
ギャグなんでなんだかんだ言うより見たら面白いアニメでした
ただ古典の話があんまりおもしろく無かったのでなんでコレここでやってるの?とは思ったので坂本頼光さんは古典なんかやらずにどんどん新作作って欲しいと思います
古典見たときは最初はこの絵でわざわざアニメ作って弁士やってるの?なんで?って思ったので
それでコミカ3分クッキング・国会中継のヒップホップ風はこれはパフォーマンスですね
VJコミックカットさんの解説がないとおもしろく無かったと思います
youtubeで本編だけ見せられてもふーんで終わってしまう
ここからこの音ピックアップしてこうつなげてみましたってところまで見せてくれないと面白くもなんともないのでこういう機会に見れてとても楽しませてもらいました
婦警ライダーは伊勢田勝行って人が伊勢田勝行作ったアニメです
伊勢田勝行さんってぐぐってみたら有名な方なんですね 僕はちょっと知らなかったので新鮮な驚きでした
アニメと言うよりはマンガをそのまま撮影してつないでアニメにしてみましたみたいなアニメです
一応動画っぽいところもありますけどあんまりアニメしてないですよね
でも婦警さんの乱射シーンなんかはむしろアニメしてない方が迫力あるアニメになっててスゴくカッコイイ
伊勢田勝行さんってプロの漫画家じゃないみたいでりぼんにずっと投稿してるって話でしたけど話とかもちょっとタッチが古いだけでりぼんあたりで連載しててもなんにもおかしくないなと思いました 
岡田あーみんがOKだったんだから伊勢田勝行でも全然OKだと思いますけど ただちょっと漫画だけだとパンチが足りないのかもしれませんね 

いずれにしても1000円で5時間くらい楽しませてもらってお得でした
ただちょっと最後のMADはくどかったかな オープニングでああいうギャグやるのは場が暖まるからいいけどクドリャフカが良かったのでそのまま終わって欲しかった

牧野邦夫見てきた

牧野邦夫さんのことは正直よく知らなかったんだけどたまたまみかけたHPでの展覧会の絵を見て時間がありそうなので見にいった
牧野邦夫展
アル中の先輩でデザイナーの人も誘ったら来てくれることになったので一緒に見にいった
レンブラントに影響受けたって言ってるので西洋絵画的な絵を超絶技術力で描く画家なのかなと思ってたけどそれだけじゃなかった
もちろん超絶技術も持ってるんだけどそれ以外にも日本がの手法を取り入れたりしている意欲的な画家で作品としては現代的でおもしろかった
むしろ75年くらいから現代アートを描いていて今の画家の方が技術力が無い分だけ負けてるじゃんよ的な
朝日ジャーナルに掲載された自稿文1977.3.4
「僕は古い絵が好きだ。現代美術は僕の魂をゆすってくれない。昔の絵は技術が凄く深くて力強く、誰にもわかって面白い。今の絵は分からない絵が多くて、こちらが劣等感を感じてしまったり、分かる絵は技術が浅くてつまらないものが多い。だが、そんな今んの絵から、僕は昔の絵にない自由を教えられた。何をやってもいい、というデタラメのような自由と冒険の旅の精神だ。写実という古い技法を使って自分を表現したいという僕の仕事も、現代の自由と冒険の心に支えられている。それがなかったら、この孤独の作業はとても続けられないし生きれない。」
にすべてが凝縮されていますね。
俺と友人は順路を間違って先に年代順の絵を見ていって「未完成の塔」を最後に見たのも運が良かったかもしれない 順路が合ってたかもしれないけど
最初は60年代後半の階から見始めたので割と技術的に成熟してからの作品から見始めたので初期の頃からどんどんうまくなっていくねえ的な感想ではなくて、最初からこの人はスゲエ技術の人ってところから出発できた
なのでレンブラントあたりだと「光と影」と「手のデッサン(笑)」的なものを最初から期待していたとおりに楽しめた
ポスターでも手がそんなんになってて一緒に「やっぱ俺のテクニックスゲエだろ?的な絵がたっぷりだねえ」と話していた
この「静物」って絵なんか実際に糸を貼り付けた下に油絵で糸を描いていて「俺の絵って実物と見分けがつかないだろ?」的な絵に見えた
そういう遊び心あふれた作品のあとで「男児」とか
「キリシタンの死」みたいな大作で驚かせてくれました
下の絵なんて左が地獄絵図で右が屏風絵的な手法で地獄と仏の世界を描いています 割となんでもありです スゴイ しかし正当派西洋絵画!片方だけなら割とあるけど両方持ってるのは特別な存在ですね
なので代表作っぽい「武装する青年」なんて全然普通の絵に見えます(;´Д`)
武装する青年1972年
公式HPは代表作に掲載する作品を間違えています
そして「海と戦さ」
「インパール」
大判で絵物語を描いてくれます
「海と戦さ」は平家物語の壇ノ浦ですかね 平家物語が文字として書かれていたり洋画の肉体であったり日本画的な俯瞰図であったりです テクニカルなのにそれだけじゃなくて見てみておもしろい!ワクワクです
インパールは技術というよりもはだしのゲン的な死体描写の暗さと勇ましい兵隊の炎とのコントラストもいいですね
他にも大判の絵物語も多くて話の内容を知っていたらもっと楽しめただろうになあとちょっと残念なところも(;´Д`)
右の絵なんか金箔使ってその上に青と赤で斬って捨てた解剖図で日本刀ですよ!(;´Д`)西洋なのに日本画でシグルイ!ちょうカッコイイ

なので他に見た裸婦像などが売るための商業的な絵にしか見えなかったり(;´Д`)
雑草と小鳥1986年
このほかにも写実的で肌の質感とかスゲエんですよ(;´Д`)
60年代は西洋美術的な肌の感じをリアリティを持って攻めてくるんですけど
70年代に入ると今度は写真のフィルムを通したあとの青白い肌色!を表現してしまうと言う超絶技法で描いてくれます もう写真です もう写真を撮った方が早いんじゃないか?です というよりも80年代のヌード写真を先取りしすぎです まだ75年とかでそんなです むちゃくちゃうまいです 裸婦像なんかはあんまりテーマ的なものはないので技術だけで圧倒です でもそれだけなのがもったいないかなあ 裸婦像はスゴイのにスゴイだけと思わせてくれる多彩な作品群です
逆にいろいろ詰め込みすぎて訳が分からなくなってるモニュメント的な絵もいっぱいありました
「人」シリーズですね
聖書的?とも思ったんですけど果実ではないのでちょっと違いますね
オペラ的なものを狙撃手が狙ってる絵もあって本当はそっちの方が訳が分からないんですけど
複雑すぎて俺には個別に見ていくしかしかない(;´Д`)
背景に言えるところにまで書き込みがスゴイ もう力量に圧倒で何も出来ませんでした 完敗です(;´Д`)
「海と戦さ」的にスパっと切ってくれません 負けました
そして絶筆の「不思議な世界に住む絵描きとモデル」です
死んでも描き続けますという宣言です(;´Д`)
実は鳥の塗りなんかはもう絶筆なだけあってちょっと甘いんですけどこの人物の青白い肌(;´Д`) 死の肌色まで再現は譲らない!
そして閉館時間が迫ってきてしまって急いで下の階の若い頃の絵を見て「まあ若いねえ」と
最後に「未完成の塔」ですね(;´Д`)
牧野邦夫
コレ一番の目玉なのかもしれないけど一番最初に見せちゃダメですよ(;´Д`)
いやむしろ一番最初に見てももう一回見に戻ってきてくださいなのかな
ここに置いた絵も小さいんですけどそこに描かれてる人物も小さくてこの調子で最後まで描かれたらウォーリーを探せになってしまいます
地面が「生」で一階が「死」で2階が未完成の「地獄」でその先が未完成です
そしてその名の通りまだ未完成でサグラダファミリア的です
でもこの絵で完成してると思います
10年で一階を描くという話でしたけどもう地獄の先は見えないんじゃないでしょうか?
これ以上描いてしまうと作品の構図のバランスも悪くなってしまうし
それで絵から飛び出た塔の先ですね
未完成で見えないのに絵の外まで見えてしまうと言う二律背反もいいですね
最後に見て良かったと思いました(;´Д`)
牧野邦夫さんの人生の集大成的に見えました 
でもまあ俺の好みは絵物語が一番でしたね(;´Д`)
本当に見てるだけで楽しい わかりやすいです
湧き出るイメージが楽しい絵が好きだったりしますけどやっぱりおもしろいです
最後にデザイナーの人と一緒に行けて自分では気がつかなかったことを指摘してもらったり感想を話し合っていけてその話の中から見つかる発見があったりしてとても楽しかった
額縁の遊びとかはデザイナー的な視点もあって俺だけじゃわかりませんでした
会場に着いたの2:30だったけど閉館までの3時間半じゃ足りなかった
最後駆け足だったよ(;´Д`)
充実した時間を過ごせました
18:30に家について今まで図録見ててもう感想書いてもう23:30だよ
イニングイーターすぎる(;´Д`)
図録3300円と入館料500円で3800円でお買い得ですよ!


ドラゴンボールZ 神と神見てきた

ドラゴンボールなんだからやたら力を込めたセリフでかめはめ波とか光線技の応酬とかやるんだろうなと思って見にいったんだけど(;´Д`)
ドラゴンボールを見にいったはずがネコマジンを見せらるとは思わなかった
期待してた以上にというか違った方向で楽しめた 
フリーザ編あたりの熱血なノリというよりは初期のジャッキーチュンのあたりとか魔人ブウ編あたりのノリ
特に今回の映画ではベジータが遊ばれてておもしろい 全部この人が持って行ってしまった気がする そんなにブルマが好きだったのかと
それと懐かしいピラフ一味が子供の姿になって登場してて登場してる
マイなんか黒髪ロングで前髪パッツンでほとんどヒロイン扱いになってる
まさかマイで萌える日がくるとは思ってなかった(;´Д`)
アクションに関しても気合いの光線技使うんだろうなと思ってたけどほとんどが肉弾戦やってくれた 
それもドラゴンボールでのアクションで驚かされることなんかないだろうと思っていたんだけど背動とカメラワークで今までと
は違ったアクションシーンを見せてくれて新鮮な驚きだ 背動と言っても背景はCGだけどね
最近ではそういう動きを見せるのはキャラまでCGにしてしまっていてそんなの見せられてもおもしろくないんだよなと思うこともあったりするんだけどCG背動に手描きキャラ乗せることで新たなスケール感でアクションシーンを撮れるんだという驚きがあった
ただラストの戦いの終結についてはちょっと物足りなかったかなあ(;´Д`)
ギリギリまでやり尽くした感が無かったね まあそこまでやってしまうと作品が重くなりすぎちゃうのかもしれないけどちょっとスッキリしなかったな
今回も大泉学園のT-JOYでは設定資料集の展示がありました
最近東映のアニメはプリキュアばっかり見てた気がしたけどそういえばドラゴンボールも東映だったんだ(;´Д`) なんかすっかり忘れてた
ドラゴンボールの設定資料も展示してる
ベジータ
コンテもある

ジャンゴ見てきた

ジャンゴは非常にロジカルな映画でありつつもエンタテインメントとしても楽しめるおもしろい映画だった(;´Д`) そりゃアカデミー賞もとるよね
相変わらずバリバリネタバレするので見てない人は見てから読んでね
別に読まなくてもいいけどさ
俺は子供の頃はボードゲームをやる習慣がなかったんだけど大人になってからの友人に紹介されて時々ボードゲームをやるようになった
ドイツ産のゲームをいくつか、カタンとか有名なやつもあったりとかプエルトリコあんてゲームをやったりした
そのボードゲームの経験からいうと白人たちの子供たちはこういうボードゲームの元に社会のルールをうまく扱う教育をされているんだと思った。俺が今まで受けてきた教育では「従え」と「勉強しろ」という教育だけだったように思う。親からも学校からも含めてね
この映画ではそういう教育とルールとそして正義感が描かれている そしておまけとしてちょっとだけアクションがある 
アクションのところがやたらスカッとしてしまうのでそこが本編だと思ってる人もいるかもしれないけれどそれは違うね
ジャンゴはドクターシュルツに解放されて教育を受ける シュルツの教育と行動はルールに従って法律に従って自分の正義を実行しろだ
ジャンゴをつないでいる鎖を持った奴隷商人の兄弟はその法律に従ってシュルツに殺される 無法にシュルツに銃を向けたからだ 正当防衛だね ロジカルだ そしてシュルツは殺しつつもきちんとジャンゴの代金を支払う 法律だからね そうやってシュルツは自分自身が持っている正義感を執行する 賞金稼ぎを仕事にしてるけどこれも法律内のルール内の行動だよね 生死を問わず賞金首をつれてこいだからね
ジャンゴはまず教育を受ける
このへんはまゆおうでもやってたかな ただ鎖につながれた「無能な人」なだけのジャンゴがシュルツによって法律とルールを使いこなす「人」へと教育される
序盤のアクションでシュルツとジャンゴを襲うKKKっぽい人たちもロジカルに描かれる 表だっては理性にしたがっているジェントルマンな農場主の白人でもKKKの仮面を被ったら袋からろくに周りも見えないよってね こいつらを殺すのも正当防衛だからだね
それでちょっとジャンゴはお姫様のブルームヒルダを助けに行くジークフリードになれるんだよっていう物語のアウトラインが知らされる ここはちょっとロジカルじゃないよね お姫様を助けたいっていうのは理屈じゃないからね でもそれでいいんだ そういう話だから
シュルツによって教育されたジャンゴは銃も教わってまあ強くなる ジャンゴは最初は自分で着る服を選んでもいいという選択肢もなかった奴隷だったけどこの頃にはきちんと「人」になってるね
それで今度ジャンゴはヒルダ姫を助けに行く訳なんだけど、今度の敵は真っ当な悪役白人なんだ 悪人では無い本当にきちんとしたジェントルマン ちょっと奴隷同士を戦わせて楽しんだりそれで奴隷を殺しちゃったり拷問したりするけどこれは個人の趣味の問題で全く問題がない 個人の所有物である奴隷にしか手出ししないんだから
こうなってくるとシュルツは今までの方法では敵を倒せないんだよね この頃のジャンゴはまだ教育されただけのまだ「人」になっただけの人間だから真っ正面から取引しようとしてシュルツに止められたりもする この頃のジャンゴはまだルールっていう鎖に縛られているんだね そしてシュルツも だけどシュルツはルールを使いこなしているのでルール内で嘘をついて取引までたどりつく作戦を思いつく とてもロジカルだ それに最初に書いたボードゲームの話にもつながったね 白人ってこういうことなんだねって描かれる
そして今度はシュルツによってジャンゴが奴隷商人の振りをさせられる 
そして奴隷商人の訳を演じきれと
その途中でダルタニアンっていう逃げ出した奴隷が殺されるんだがこれをシュルツは許せない でも今度はジャンゴに止められるんだよね ジャンゴも本当は助けたいと思ってるんだけど奴隷商人の役だからね その止める声を断ち切ってダルタニアンを殺させるんだ ルールに従って行動してるからね ここで甘いところを見せてしまうとルール内での嘘がばれてしまうから でも見てる人には本当にこれでいいのかなっていう気持ちを起こさせる 非常にロジカルですね いままでのルールで処理できない正義感が芽生えてくるでしょう?
ここまでは正義感のロジカルな部分が説明されてる部分だね ちょっとだけアクションがあってスッキリしてた人もいるかもだけどここまでは前置き
今度はスティーブンっていう奴隷頭が本当の敵っていうことがわかってくる
表向きは白人にこびを売る振りをしてるけど本当はスティーブンが奴隷たちを支配してるんだね この辺はあまりロジカルではないけれども社会の階層を見せられる まあそれまでもジャンゴが「奴隷」から「貧乏な白人」くらいに階級アップしてきているのもかかれてるんだけどね 今度は下の方 奴隷頭をトップにして屋敷に入れる召使いの黒人とかもっと特権階級っぽいドレスを着て酒を飲んでる黒人もいる その下に屋敷に入れない肉体労働をさせられる奴隷たちもいる ヒルダは本当は奴隷の中でもちょっと上の方の階級で屋敷でメイドも出来る階級だったりもしたってことも描いてあるね ジャンゴは一番下の肉体労働だけの階級だったんだね
階級というのは割とロジカルかもしれないけど奴隷頭っていう「王」の封建制として描かれてる おもしろいのは黒人内でのルールはディカプリオの言葉で簡単に打ち破られてしまうところだね 白人内で管理された「王」として存在してるんだね 奴隷頭は
スティーブンはディカプリオにシュルツを密告して本当の目的はヒルダを取り返すことにあるって教える ここもこの映画のおもしろいところで黒人たちは自由意志で奴隷で居続けようとしてる訳じゃないっていうことと奴隷たちが自由意志で奴隷になっているっていうところを混在させているんだよね ロジカルじゃないね ルールと法律を持ってきて教育すれば奴隷は「人」にはなれるわけじゃないんだ これはディカプリオの台詞でもあるね 10000の1みたいなね 奴隷たちを鎖につないでるのは黒人たち自身でもあるんだね 奴隷の中でも特別な位置にある奴隷には奴隷って位置でも居心地が良いんだ 実はコイツ脚が悪い振りしてるけど実は脚が悪くなかったりするしな 脚が悪いっていうのは奴隷でいるっていう象徴として描いているのかな それとも白人たちと同席させてもらってるのに体まで同じだと白人と黒人が同列に扱われるってことへの配慮なのか? この配慮は白人に対してもだけど奴隷に対しても黒人は白人より下であるっていう意識付けにもなるしね 黒人はどんなに偉くなっても白人よりしたなんだと
スティーブンの密告によってシュルツはピンチ 銃を背に向けられて今度はヒルダを高額で売買するっていう契約書にサインさせられてしまう そして売買契約が成立する 
そしてディカプリオはシュルツに握手を求める だけどシュルツは握手したくない 売買契約も嘘をついてまでヒルダを取り戻す手伝いをしたことも白人のもつルールに従ってきたやり方だったから でもそのルールでシュルツは屈服させられてしまうんだけどこれがおもしろくない そのルールではシュルツの正義は執行されないからね 
シュルツの本当の気持ちは違うところにあったんだけど、その正義を執行するためにルールに従ってるだけだったんだね
今度のシュルツは自分の法律っていうルールを破って正義を持ってディカプリオを撃ち殺す
今度は白人側からのルールの執行だ 正当防衛だからね シュルツは撃ち殺されてジャンゴも自分を縛ってきたルールを打ち破って反撃する
この辺は爽快なアクション いままで貯めてきたものを全部出し切るくらいだったね
でもここではルールっていうジャンゴの鎖を解放したのはシュルツなんだよ
でも弾が尽きヒルダを人質に取られてジャンゴは降伏する 
降伏したあとのジャンゴはまた奴隷として売られる
そのあとのジャンゴは奴隷商人の白人たちを騙して自らを解放する
ここでやっとジャンゴの本当の鎖が解放されるんだ
自分で自分を解き放ち 法律に縛られずに敵を撃ち殺す
今度はルールなんてない 自らの信じる正義にだけに従って正義を執行するんだ 
ただちょっと出来が悪いところなのはシュルツが切ったアクションでの打ち合いでスッキリしちゃってるから最後の撃ち合いと屋敷の爆破のシーンの印象がちょっと薄くなってしまっていることかな

とてもロジカルな映画で結局は「正義のためならルールなんか関係ねえ!」っていうアクションをやるために最後までずっと理詰めできてるんだよね
とてもわかりやすい映画でした アクションシーンでスッキリもしたしね
あとパンフレットは買ってきたけどまだ読んでないので監督とかの言い分は俺が書いたのとは違うかもしれません(;´Д`)
これから暇なときにパンフは読むよ
4/10 追記 ジャンゴに銃の扱いを教えていて子供連れの賞金首を撃ち殺すシーン
ジャンゴはためらうけどシュルツは撃って良いという これはシュルツがルールの範囲内であったら躊躇する必要はないっていう意味だよね その白人たちのルールの扱い方に慣れろっていう意味でもある
あとシュルツが握手を拒否したって言うのは正義感とだけ書いたけどルールの範囲内ならなにをしてもいいか?ということへの拒否感でもあると思う ディカプリオと同じ仲間だろ?っていう同意に拒否したんだね 今までの我慢してきた部分のある自分へもの「我慢が出来なかった」

塀の中のジュリアスシーザー見た

奇妙な映画だった 刑務所の囚人たちが舞台を演じるために演技し練習していく映画なんだけど、演技指導とかをドキュメンタリータッチで撮るのかと思っていたら違ってた 演技しているときと素の自分でいる時の境目が曖昧なんだ 最初のうちはもちろん普通に演技指導したりするシーンが入っていたりするんだけど、演技の練習しているときに過去の自分とオーバーラップしてきて役を演じて悩んでるはずが本当に悩んでしまったりする 演技しているはずが役と役者の素の性格が同一視してしまって本当に揉めてしまったりする そういうときはとてもリアリティをもってみている自分に飛び込んでくる これは演技なの?演技指導なの?それともドキュメンタリーなの? その曖昧さが映画っていう一枚向こうの世界との隔たりを壊して飛び込んでくる 映画っていう箱庭世界の中で、その中の刑務所っていう箱庭世界の中で、その中の演技している空間っていう箱庭世界 そういう内包的な世界を撮っているので今カメラが追っているのはどの世界の話?っていうのがよくわからなくなっていくんだ 
演技の練習なはずなのに刑務所全体が練習場所になっていて他の囚人も塀の中から舞台に参加していたりもする これはまたさっきも書いた箱庭世界との世界線の崩壊だね この映画はドキュメンタリー風に撮っていながら練習風景も「ジュリアスシーザー」の話に沿っていくので練習中なのに本番でもあるという でも刑務官がそれを監視していて本番では無いって意識させたりもする おもしろい構造だね
そして最後に舞台を終えた囚人が芸術を知って監獄が牢獄に変わったって台詞で終わるんだ
演技者である囚人自身の世界線も壊されたんだね 今までのただの監獄の外の世界も見えてしまったし自分の中の新たな世界も見えてしまったからね
それで台詞で語られるわけではないけれど観ている視聴者の世界への問いかけかな 今自分が生きている社会の世界の外の世界って見えていないだけであるのかもねって 今の君たちはまだ監獄にいるのかもねってさ そういうテーマなんじゃないかな 
エンターテイメントっていう映画じゃなかったけどおもしろかったよ
前の席に座っている人が咳払いとかしないで静かにしていてくれるともっとおもしろかったと思うけど