2013年12月25日水曜日

ブリングリングみてきた

ブリングリングみてきた
スプリングブレイカーズみたいな映画なのかなあと想像して見にいったんだけどスゲエ淡々と撮っていた
ドキュメンタリー形式とは言っても音楽で感情表現くらいするだろうと思ってたのに盗みに入るった時に逆に無音にするのよ 音楽で盛り上げられるのにね
キャッチコピー的には若者が好き勝手に泥棒しましたみたいな感じなのに
どっちかっていうとこの映画はメッセージをはっきりと言わないで心の底に持っている感情をうっすらとすくい取って映し出したみたいな映画
お金持ちのセレブの家ががらんどうであったり(抗うつ剤が見つかったりする)
豪邸なのに不用心であったり
少女のあこがれのスターになりたいって気持ちがセレブでの家での豪遊だったり
友人は選びなさい自分は友人たちの平均値だt言ったことだったり
善悪の判断は法律じゃなくて親友や家族といった小集団での利益であったり(この辺が一番強いと思う アメリカ人はボニーアンドクライド的な悪を好む)
あとはこれも今書いたこととちょっと結びついてるけどあんまり盗みを罪悪感を持って描いてないのよね 緊張してそうに映し出される演技って遊びで銃を向けられたときくらいで盗みの時の緊張感も無くはないけどほとんどゼロだった
あんまり善悪で判断して欲しくないし悪いこと=自由なオレ的な流れの映画にもしたくなかったんだろうね
それにしても静かな映画なのでちょっと風刺的にアメリカを見た気はするけどどこを楽しめって言われるとおもしろみがない映画なんだよなあ(;´Д`)

2013年12月1日日曜日

ある精肉店の話見てきた

ある精肉店の話は割と淡々としたドキュメンタリーだった 部落の話とか出てくるけど左がかったりしてないし 端的に牛の生産から小売まで撮り続けてた 最初にと殺やっていろいろ見せたあとにもう一度と殺してて二度美味しい
ういうふうに最初から最後まで全部出来ると面白いんだけどな 今では分業になってしまって仕事というか労働になってしまうので面白みがない気がするね それで一つの仕事をやるために家族で共同作業するという そういう人の集まり方もバラバラになってしまっているのかなと思った 
映画として面白いかというとまあそれなりかな ドキュメンタリーだし もう一回見てもしょうがないし 半券あると安くなるらしいけど
あと牛って簡単に死んだり簡単に死ななかったりするもんなんだな 銀の匙では重そうなテーマだったけど淡々と描かれてた 銀の匙で免疫があったからかな 内臓見せられたりは少しグロかったけどね まあ商品になってしまうんだなあと
監督は最後にまた出てきてパンフレットとかの宣伝してました それと映画に出てきてない死んだ父の話しもしていました 家族の話にも出来たんだろうけどあまり感情に重きを置かない作りにするためにキッチリバランスとってつくってたのでドキュメンタリーとして見やすい映画でした
ちょっと書き忘れたけど牛を殴った後に脳に棒突っ込んでグリってやるのはちょっとスゲエって思った

フィルス見てきた

トレインスポッティングではレントンがみんなを出し抜いてクズな世界から抜け出していったけどこの映画は残された人の話
話の導入の部分は悪徳警官のクライムコメディで入っていくけど、そのコメディの部分で他人の欠点をあげつらったりする そこの部分はかなりステレオタイプな偏見を持って他人を見ていてなかなか笑える
そういうところでやり手の警官なんだぜ的なところをブイブイと見せつけておいてだんだんとこの作品の深みにはまってくる
導入で他人の欠点をあげつらっているのは自分の欠点を知っているからその弱点を見抜くことが出来るとも言える この映画の場合には主人公のブルースが自作自演で他人を貶めているので他人にかけた疑惑の数々が本当のことなのかブルースが勝手に想像しているのかわからなくなっている
多分それはブルース本人にもよくわかって無くて疑惑が本当であり続けなくては自分を保てなくなってしまうからかな だからつまらないいたずらで自分を強く見せ続けているんだ
自分が社会でうまく立ち回っているんだという自信を見せつけていないと自我が保てない躁のエネルギッシュさと鬱の不安さをうまく描いてると思う なにかを振り回していないと落ち着かない衝動を抱えているとか
鬱の部分の描写では他人が動物に見える瞬間で混乱を表していたけどこれはちょっとありきたりな表現だったかもしれない かと言ってここの部分はどう表現したら他人に伝わるかというと他の表現に置き換えることが出来なくて困るんだけど 俺の経験ではこんなんじゃないとか思っても他人に伝わらないと意味が無いので でもまあもうちょっと違うというかなんというか でも俺自身を客観的に見たらこいう行動してるなっていう不審さは表現出来てたと思います(;´Д`) 
原作からそうだったけどやり場のない衝動を悪癖として表現するのはとてもうまい
というかブルースのやっていることが自分に当てはまりすぎていてとても共感を覚えてしまう これは誰しもが持つ共感ではないかもしれないが
それと自分の持っている社会の狭さもある レントンは小さい世界から抜け出していったけどブルースはずっと労働者階級の渦の中にいるしね
そしてそれと自分だけが取り残されていくという不安さを持っている 
ブルース以外の人間は悪癖の疑惑はあっても普通に善良に生きているようにも描かれている だから本当は自分だけが悪い人間で変態のクズであるって認めることが出来ない原因にもなってる
だから他人からさしのべられる手にも恐怖を感じている さしのべられる手に手を出してしまったら自分は弱い人間だと認めてしまったことにもなるからね
でも悪徳だけではなくて他人に手を差しのべたりもしていて本当の心がどこにあるのかわからなくなっている 本当は自分は悪癖だらけの人間ではなくて善良な人間なんだという気持ちものぞかせる これは自分の心に向き合いたいけれど向き合えない気持ちを表しているのかもしれない
そこから抜け出したいと思って他人を出し抜こうとするけど結局その行為は自分の不安さのループに陥っている 他人を貶めようとするのは他人からも貶められるかもしれないっていうことでもあるからね
この映画のクリフォードってキャラはブルースに弱い所を痛めつけられるばかりだったけど、そうやって弱い所を攻撃し続けていないと自分の弱さがあからさまになってしまうから怖かったんだろうね 社会的に成功した公認会計士ってキャラでもあったしそういう人間を全面的に認めてしまうと自分の負けになってしまうし
最後にクリフォードに送った言葉は本当は自分自身に言いたかった言葉で悪い自分を消し去ってしまって別の自分として生きていたいってことなのかもね
フィルス