2014年3月7日金曜日

モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-見てきた

モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-見てきた

相変わらずバンバンネタバレするけど(;´Д`)というかほぼ全部ネタバレの話だけね

終盤から逆算したかのような組み立て方がうまかった 全体として1時間30分の映画で敵が誰なのかが判明するまでに1時間で残り30分を使って解決編をやるっていうわかりやすいアクション映画

ゲストキャラの無限彼方くんとそのマスコットの機械の鳥フリントがでてくるあたりは劇場版ドラえもん的だった 騒ぎ立てるマスコットキャラなんかの雰囲気と追いかけてくる敵のキャラ スカーレット・サイファの設定なんかはのび太の恐竜みたい

それと同時に感じたのが劇場版パトレイバーの無印的な構造かな こういう映画は当然悪役が出てくるわけだけどそれの説明というか解明の仕方とアンチウィルスソフトに組み込まれてとか安く導入のくだりあたりか                                                                                                                                              
今回の映画ではその悪役の設定がものすごくうまい

まず最初にどうも亜空間航路の通行が不可能っていう障害が出てくる まあなにかの伏線かなあとは思わせてくれるんだけどあんまり重きを置かずにさらっと流すのでそこまで印象に残らないけどきちんと思い出せるくらいにしてる

次に偽の軍艦が出てくる(このあたりは弁天丸のスタッフのキャラ紹介的も兼ねている) 新しく開店するレストラン(マミとの絡みでキャラ紹介)ヨット部で市内のネット情報が漏れている ヨット部での会話も盗聴されている(セレニティ姉妹のキャラ酒お買い) 茉莉香の家が襲撃されるってあたりが敵を解明する伏線ってところかな

ぶっちゃけた話敵はトラスト企業っぽいんだけどこうやってどういう悪行を重ねていますよって事とどういう手段でやってますよって事とだからこういう企業が敵なんだって事を説明してくれている

亜空間航路を独占できれば企業が儲かるし偽の軍艦を使えるのは管理している企業だけだしウィルス対策ソフトがマルウェアになってるし盗聴まで全部出来るのはトラスト企業だからってことね

話のキーとしては無限彼方のペットに秘密が隠されていてそれを企業が狙っている→ペットの謎が亜空間航路の新航路発見につながって独占できるので~→無限彼方を保護している茉莉香を狙っている→ヨット部でペットの謎が解明されたので~

ここで亜空間航路の秘密が隠されている惑星だかなんだかを探し出して競争するっていう解決編になっていくわけね

盗聴してるのはクリーニング店のクリップですよって話にもなったりしていたりしてて その前にレストランで配ってたりするマスクがヨット部にあったりで散文的にわりとどんどん伏線を置いていくのはうまかった

それと同時にテレビ版に出てたキャラ全員を登場させていって視聴者を楽しませてくれてる


ただ俺がもったいないって思うのはあんまり話のつながりが無くて一個一個こういうことが起きました→このキャラが解決していくみたいな小さいキーポイントみたいなのを配置していくだけなのよね

最後の最後までどういう結果が話の解決になるのかってのが見えてこなかった

どうも亜空間航路の新航路っていうのが「宝物」になっててそれの取り合いになってるんだけどそれを茉莉香たち弁天丸がみつけてどうしようって言うのよっていう話

それに敵の企業の実態というか象徴とされるキャラがスカーレットだけなので敵として認識するにはちょっと弱いんだよね スカーレットの動機とかの描かれ方も薄いし せっかく過去に無限博士の仲間だったけどって設定があるのに生かし切れてない

最終的には無限彼方が新航路を解放して企業の独占化から航路を守りましたって話になってくるんだけど薄く張った伏線なだけにそこが逆に問題になっていてそれを解決するのが「正義」っていう単純な構図にならないのよね

話の構造とか設定の紹介はすごくうまいんだけど全体の話としては勧善懲悪的な話にスッキリはまらないわけ なのでスッキリして映画終了になってないんだよね

無限彼方の行動というかサイドストーリーの描き方もちょっと薄いので(ほぼ単純に親に反発してただけ)この子を茉莉香が助けるって話をメインに持ってきてるわけでもないしね


オデットII世に新しくレーダー貼りましたとかあんまり登場に意味がなさそうだったチアキちゃんとかも最後に対企業艦隊との電子戦で助けに来るっていうのもすごいよかった 単純にこういうのおもしろいもん

それにスパイアクション的な演出とかヨット部での演劇設定とか出崎演出的な表現があったりとか スケートの子を撮るカメラワークもおもしろかったしモニターに写し取られたキャラとか楽しませる演出もどんどん配置してくれて説明だけに陥りがちな所も楽しませてくれていたのにな

いろいろ盛り込んでいるし電子戦的な説明も(実際にはザルだけど)必要以上にしっかり説明してくれていたのでもうちょっとメインストーリーがしっかりしていてくれたなら傑作だったんだけどな 

すごく惜しい映画だと思いました



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