2015年4月10日金曜日

アメリカン・スナイパー見てきた

アメリカン・スナイパー見てきた

見終わって一歩引いてから考えてみるとこの映画は反戦映画なんだけど見てる最中はまったくそんな事は感じさせなくて俺はずっと主人公クリスの主観で映画を見ていた

テレビゲームをやった事がある人で特に昔のファミコンのゲームとかアーケードでアクションとかシューティングをやった事がある人はわかると思うけど「もうちょっとだったのに」って気持ちで何度もコンティニューしたくなる

クリスはたぶんそういう気持ちがずっと続いていたんじゃないかな もちろんそんな単純な話では無くて仲間の敵討ちとかアルカイーダを根本的に倒していないっていう気持ちもあったと思うけど 俺としてはワーカホリック的にずっと戦闘にのめり込んでいったように映った

だから戦闘を終えてアメリカに帰還してもまだ終わらせていない仕事が気にかかってずっと日常に戻れない

クリスの人柄を描く描写としてあまり身持ちの良くない女を恋人として持っていて浮気されたっていう描写がある そしてその理由を自分を構ってくれないからって言ってる 
これは映画の冒頭の事なのであんまり意識はしてなかったけど終わってみると若干統合失調症気味にも見える描写でもある これは人間なら多かれ少なかれ持ってる部分でもあると思うんだけどね そういう部分が自分と近いが故に主観的に映画を見てしまったのかもしてない

だから妻のタヤと子供がクリスを迎えてくれても心ここにあらずになってしまっている

さらに言えば銃撃戦の緊張感が見事なので物語のテーマを意識しなくてもラスボス的なムスタファと虐待者っていう明確なライバルがいるのでストレートにアクション映画としても楽しめるからだ

ムスタファを倒すか自分が死ぬかしないとこの戦闘と映画は終わらないんだ

ということで主立ったテーマは戦争とPSTDなんだけど一応もう一枚テーマを盛り込んでいてクリスが911のシーンを見て軍隊に入るってところから始まる終わらない復讐劇ですね

911自体はテロなんだけどスナイパーとしての立場っていうのも一騎打ちみたいな正々堂々戦うものと違って不意打ちする立場なのである意味テロと位置づける事も出来る カイルは敵を狙撃するけど敵の名スナイパーのムスタファにも狙われてしまう ずっといたちごっこなんじゃないの?って言うのがもう一枚のテーマ まあありふれた話だけどね

いちおうその辺を補完する話としてアメリカでの休日に子供と「ガチャガチャ」をやるシーンがある コレが欲しいっていう子供に対してカイルはそれは手に入らないよって言うんだ このシーンは退役軍人の話の方に話が移ってしまうので軽く流されるところだけど カイルがどれだけ狙撃しても本当に狙った標的を仕留める事 根本的な解決に成らないんじゃ無いのかなというメタファーが含まれているように思えた そして手に入ったトカゲの人形なのかな それは置いていくんだってさ このときのカイルがあまり退役軍人を相手にしなかったという心象を描くのもあるけど見終わってから効いてくるシーンでもあるように思えた

ラストシーンに関してはまあ現実の出来事なので俺が特に語る事もないし監督としてもそこにテーマは盛り込んでいないと思う 英雄として国葬されたけど殺人の動機も何も描かれてないからね

ということでアクションが好きな人はそのままにちょっと考えるのが好きな人向けにもきちんと含みを持たせているよっていういい映画でした 映画ならではってシーンも無かったのであとでレンタルでもしてテレビで見るといいでしょう


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