2014年10月23日木曜日

悪童日記見てきた

悪童日記見てきた

大筋では原作通りに双子が未熟な子供から自立して大人になっていく話
もう原作の小説を読んだのは20年くらい前の話だからうろおぼえだけどね
だけど原作の時からもそうだったけど問題となっているのは双子たちの行動が残忍であることです

でもその行動原理についてもこの映画ではしっかり描いていました
父母から離されて自活することを強制される訳ですから
魔女がきちんと教育しています 働かない者には食べさせるものが無いと
そして学んだ双子は自らを強くし、誰かの庇護下にいるのでは無くパートナーとして信頼される人間になっていくわけです
その戦時中に聖書の言葉や法律がどれほどむなしく響くかはきっとここに描かれているとおりなんでしょうね

それを決定づけるのは劇中に母親からの手紙を焼くシーンと豚にエサを与えるシーンが交互に挿入されているところでしょう
これは従属からの脱却を表しているのだと思います

そんな双子にとっての父に近い存在はドイツ軍の将校でしょう
しかし将校は双子のことを子供ではなく友達と呼びました
自分の隣にいる参謀を差し置いて自らを鍛える双子を友達だと
そこには参謀が「美少年だから」っていうもしかしたゲイだから愛されているのかもという伏線もありますが、どちらかというと真に強い男、誰にも従うことのない自立した男としてあえて子供ではなく友達だと言ったのでしょう
それに比べると実際の父親は弱い
軍隊に徴兵されたにせよ自分の子供たちを守ることが出来ずに妻も別の男に奪われてしまう
そして戦争から逃げ出した弱々しい姿で強くなった双子の前に現れる
これは僕は父親の責任ではないと思うけど戦争がそうしたとはいえつらい姿だった
父親だって子供たちに愛情がなかったわけじゃない 届ける手段も無かったし守る手段も無かったのだから

これに限らず残忍な内容にも関わらずこの作品には愛情があふれている

母が魔女に送っていた服や手紙を処分していたこと
これは本当の愛情が双子に届いていなかったことともう一つ
魔女が自らの子供である母に愛されていないことの裏返しでもある
これは嫉妬で自分へは今まで連絡もなかったのにどうして自分の子供にだけ愛情を注げるのが悔しいのです
それに鍛えるためと称して断食を行う双子に鶏肉を焼いてくれます
ここはパンフレットでは子供たちを差し置いて食べる描写とされていますがむしろ何か不満があって食べない双子に対して良い食事を与えようとしたんでしょう
それにもうその時には最初に来た頃の無能な子供では無く仕事のパートーナーになりかかっていて魔女にも不可欠な存在だったんだから

母親だって一人でいれば誰か頼る人を欲しくなったりもするでしょう
別の父親の子供を抱いて現れれば複雑な感情をもったりもするだろうけど不安な世界で本当にそれを攻めることなど出来るだろうか

暖かい服を与えてもらえない子供に同情してタダで靴をくれる親切な靴屋さんもいる
本当に無情なだけの世界では無い

もちろんその靴屋がユダヤ人だと告発した司祭のところで働く娘にしても泥だらけの双子に愛情を注いでくれる
その双子の容姿に興味があったりショタの気があるにせよ愛情には違いがない
それに当時のヨーロッパではナチスは歓迎される風潮すらあったんだからそれを元に結果論で彼女を悪くも言えないだろう
彼女はユダヤ人を差別していたけどそれは良いことでは無いけれども同調差別を元に絶対に悪だと言い切ることは出来ない

双子にしても靴屋が殺されるという個人的な恨みが無ければ彼女に仕返しなんてしないだろう

そして警察に捕らえられた双子を助け出す将校も自らの友人を助けに来ただけのこと
さすがに射殺するのはどうかと思うけど警察権力に従属する男は彼にとっての友達ではないからだ

それにソビエトの兵士たちにレイプされて死んでいった少女を双子のやり方で見送り魔女の死まで見届ける

ただ最後の国境越えに関しては少し残忍すぎたかもしれない
誰かが通ったあとの地雷原は爆発しないという前提があったにせよそれを無力な父にやらせるのはさすがに厳しい
父にも脱出という共通の目的があったにせよ文字通り踏み台にしか使っていないんだから

厳しい状況下で国境越えには犠牲が必要だったのかもしれないが父は無責任ではあったかもしれないが裏切りはなかったんだから

でもそういう一線を越えてまで双子は別れて強くならなければならないという強い意志を表したかったのかもしれない


昔原作を読んだときにはどちらかというと双子に自分を重ね合わせて自分ももっと強い人間にならなければと一人称的に読んでいたけれど、今回の映画では年を取ったせいかうまくいかない周りの人たちにも少し感情移入出来た

でもやっぱりこの映画や原作は高校生くらいのこれから自分を決める人たちに見たり読んだりしてもらいたい映画だね

星五つでもいいけど万人受けする映画でもないので星四つで
★★★★

2014年10月2日木曜日

記憶探偵と鍵のかかった少女見てきた

記憶探偵と鍵のかかった少女見てきた

またバンバンネタバレすると思いますが

この映画はサイコパス相手のミステリーなんだけどそれとは別にもう一つ映画として挑戦していることがある
これはポスターのコピーに「記憶は嘘をつく」って書いてあってしまっているのでまったくわかってねえなと思わざるを得ないことなんだが
基本的に映像作品の中で過去の再現シーンが映像で表現された場合はそれはその作品内で実際に起こったこと起こることだという不文律を打ち破っているってこと
不文律っていうかその辺をいい加減にやられると破綻してしまうので今回みたいに理由付けしないとダメなのよ

もちろんコピーにもあるし登場人物の台詞にもあるので過去の記憶が真実かどうかわからないっていうことにしてるんだけどそれがなければ記憶探偵たちは過去の記憶はごまかせない もしくはタイムスリップ的に現場を再現できることになる
最初の頃はタイムリープ的な探偵ものになるかと思っていたけどその再現シーンの信頼性を失わせていく台詞たちで完全にサイコミステリーになった

ただこれも完全なネタバレだけど最後のランドグレンからの過去の記憶を探るマインドスケープ
実はそのマインドスケープしてる状態が上映開始から終盤までずっと続いてるのね
つまりコレはずっと再現シーンで2時間つないできたけどその再現シーンは探偵ジョンの個人的にねじ曲げられた嘘の記憶かもしれないっていう入れ子構造にもなっているんだよね
ジョンがマインドスケープした時みたいに偽の記憶だったらランドルフも俺たちも騙されてるかもねってね
でもさすがにパンフレットにネタバレ厳禁みたいにかいてあるからそこまでの不文律は破らないのかもしれないけどよく考えるともう一つ謎が残ってるよねってことになる


それにしてもタイッサ演じるアナはスバラシイ 純粋そうに誘惑する表情は男たちの信頼を勝ち取るには充分だろう そしてこれは個人的にも体験したことなんだけど心理カウンセリングって受ける方に知識があるともうどう答えたら相手がどう思うのかってことがわかるのよね
それをきちんと最初に示してしまったのでコレは嘘と真実の見極めが必要だなってことがわかる
それでも真実味がある嘘とさっきも言及した過去の記憶の不文律のせいでますます見極めがつかなくなっていくのね

そしてアナの証拠ねつ造能力のすごさもスゴイ 写真の合成なんかはまだわかるけど記憶の合成だよね
2回目のマインドスケープでアナの方が先に目が覚めていたのでコレは条太郎とDIOの全く同じ能力対決になってるんだ でもジョンはそのことに気がついていない そしてここから手玉に取られていく
特になんのものかわからない鍵なんて渡されたらもうこれで濡れ衣確定な鍵なのにね

それでまんまと騙されて逮捕されてしまうんだけど
やっぱり最初のシーン バスタブからあふれ出る水と襲われるアナ 死んでいるけど顔がわからない女性死体
やっぱり本当にジョンがやっちゃったんじゃないの?っていう話にも取れるんだ
それにも理由があって女学校時代のスーザンって毒で死にそうになったのになんで喉に傷口があるの?
それにマウシーって子の事はみんな知らないって言ってるけど卒業アルバム?にはマウシーってあだ名が載っているよね
顔は違ってもそういうあだ名がある子がいないって言いきれないからね

だからこの映画過去を探れる探偵とのサイコミステリーってとらえ方だともう一つの大きな嘘に騙されてるかもねっていうお話でした

それを抜きにしてもアナの抜け目ないやり口といろいろな人に向けられる疑いの目と真実を見極める目の振り幅がどこを信じて良いのかわからなくなっていく所は最高でした
さっきも書いたけどタリッサ・アナの目で信じてって言われたらきちんとした判断なんて出来なくなるよ
みんなドキドキ楽しんで欲しいね

2014年8月1日金曜日

思い出のマーニー見てきた

思い出のマーニー見てきた

最後の10分間を除けばおもしろい映画だったね(;´Д`)
最後の10分の説明で台無しにしてくれたけど

よくある邦画的なお約束の家族の愛ってテーマに強引に持って行くのは絶対に納得出来ないね(;´Д`)
プロデューサーは妥協しすぎだよ本当にクソな仕事だ

具体的に言うとラスト手前までにマーニーとアンナはスゴく特別な友情を持っていたのよ
でもそれは二人だけしか知らない秘密の関係だったのね
そしてマーニーはミステリアスな存在で二人の関係は二人だけのものだったのよ

そして二人が遊んでいる所っていうのも本当に現実なものかどうかっていうのもうまくぼかされてるの コレは米村監督の凄腕だね

一応最初のウチにサイロに幽霊が出るって話も出ていてこういう根回しで最終的にはマーニーは幽霊だったのかもっていう想像のラインが一つ出来るのね

それにアンナの過去のモノローグでアンナは金髪人形を持っているのよ
こういうシーンを挟むことによってもしかしたらこれは全てアンナの想像上の出来事であったり過去にマーニーを装って日記を書いてたりしたのかもしれないっていうラインも出てくるのね

それとコレは少しアンナの年齢が高いのかもしれないけどアンナの見えない友達っていう可能性もあるのかな

あとあり得るのはもしかしてアンナは過去にタイムスリップしていたのかもしれないっていうあたりか

そういう視聴者の想像に任せてマーニーってどういう存在だったんだろうっていうことを迷ったり考えさせてくれる一本筋ではないところを見せてくれるのよ

だけど最後の台詞での説明はなんだよ!(;´Д`)
俺たちの想像を完全に無視してコレはおばあちゃんからの愛情だったんだよってさ
そんな結論ねえだろアホか

二人にあったのは友情と秘密の関係なのよ

最初の頃にあった台詞「内と外」って台詞はちょっといろいろ解釈出来るのかもしれないけど俺は秘密の関係を持った同士とそれ以外であったんじゃないかなって思うんだ

それはラスト付近でメガネっこのサヤカとアンナで誰も知らなかったマーニーの秘密の共有をするってことで二人の友情が芽生える部分にも関わってくるところだよ

そしてまあ嫌いなラストだけど久子ともマーニーの秘密を共有出来る関係になっていくのね

アンナは札幌にいた頃は周囲に溶け込めなくて「内と外」の関係からは秘密を共有出来ない外の存在であったんだけど田舎暮しで秘密を共有出来たマーニー そしてマーニーを通して出来たサヤカと久子との友情っていうテーマとして描いているのね

この際には本当はマーニーって何者だったの?っていう所はおいといて成立する話だったのね

だけどクソなラストの説明によってマーニーは本当はアンナのおばあちゃんだったっていきなり明かされるのよ
一応その伏線はアンナの目の色が青色ってところがピックアップされるのね
それでまあマーニー以外には外人キャラなんていないからまあもしかしてっていうところの伏線もはってるのよ
だから一応スゴく突拍子のない話でもないんだけどそういうことを全部台詞で説明しちゃう?
それは無しだぜ

これでタイムスリップか幽霊かって話くらいに限定されてしまってサイロの話もあったしもう想像の余地もなくマーニーって幽霊じゃんって結論に強引に持って行かれてしまうんだよ

ここは想像の余地を残しておいて本当はマーニーってどういう存在だったんだろうってみんなで話したりする所じゃん
でもそういう想像の余地を残している作品を作ってるのにアホでもわかるように全部口でせつめいしちゃうんだよ
本当にアホだ

これがアクション映画だったりミステリーだったらそういう所ははっきりさせないといけないんだけどこれは割合幻想文学的なラインに沿って作られたアニメなんだからそんな結論はいらないんだよ
まったくわかっちゃいねえぜ

だいたいラストでマーニーはアンナのおばあちゃんだったって知って「おばあちゃん!」って叫ぶシーンがあるんだけどそういうシーンを入れることによって邦画的な家族愛って事を示してバカでもこういうシーン入れとけばみんな感動してくれるんだろっていう作り手の安易な考えがだだ透けだよ

あそこでアンナが叫ばなければならないのは「マーニー」だろ
二人の関係は友情なんだぜ?おばあちゃんからの愛情を受けていたっていう感情じゃないんだよ
なんでそんな今まで作り上げてきたものを全部破壊するような台詞を言わせるんだ
映画全部をぶっ壊すクソ台詞だぜ

マーニーとアンナは最初はマーニーって楽しい人だねってあこがれだったりしてアンナの心を開いてくれたりしたのもあるし ソレがあってこそそんなマーニーにアンナって幸せだねって思われるっていうので周りに愛されてる自分に気づかされたりしてくれるのにね

本当に全部を台無しにしてくれる

それに役所からの送金の話もそうだ

あんなんべつに明かす必要なんてないじゃん

これもアンナが送金のことを知ってるって事を頼子が知った形跡もないのにいきなり最後に話を持ち出してこれはお金じゃなくて無償の愛なんだぜって言われてもそこを埋めるエピソードが全くないんだよ
これが強引に家族愛にもっていって安易に感動させようとしてる以外の解釈は出来ねえよ俺には

感動できる所っていうのもそういうの抜きでしっかり作ってあるんだぜ

サヤカが昔のマーニーの日記を見つけてきてアンナと秘密を共有する「内と外」の関係では内の関係になったり
久子が昔のマーニーと遊んでいたって話で久子とも秘密の関係にもなれたしね

そういうポイントを作っていくことによって誰にでもではないかもしれないけどアンナが周りに心を開く鍵を埋め込んでいるんだよ

そういうのが全部ラストで台無しだ 本当にラストはクソだ

あと最後にマーニーとのパーティであった花売りの少年ってあの船を漕いでいた無口なおじいさんだったんじゃないのかなって所に想像の余地を残しておいてくれるね

ここはタイムスリップ話にも持って行けるのでなんとも言えないけどマーニーのことを知ってるけど多くは語らないってところでマーニーの過去話に他のキャラも出てこないし年齢もそれっぽいしでまあただの消去法なんだけどね

そういうふうに想像の余地があるアニメにだったのになあ(;´Д`)
本当にもったいない映画だったよ

北ヨーロッパとか北アメリカなミニシアター映画風で満足してたのに

2014年3月7日金曜日

モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-見てきた

モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-見てきた

相変わらずバンバンネタバレするけど(;´Д`)というかほぼ全部ネタバレの話だけね

終盤から逆算したかのような組み立て方がうまかった 全体として1時間30分の映画で敵が誰なのかが判明するまでに1時間で残り30分を使って解決編をやるっていうわかりやすいアクション映画

ゲストキャラの無限彼方くんとそのマスコットの機械の鳥フリントがでてくるあたりは劇場版ドラえもん的だった 騒ぎ立てるマスコットキャラなんかの雰囲気と追いかけてくる敵のキャラ スカーレット・サイファの設定なんかはのび太の恐竜みたい

それと同時に感じたのが劇場版パトレイバーの無印的な構造かな こういう映画は当然悪役が出てくるわけだけどそれの説明というか解明の仕方とアンチウィルスソフトに組み込まれてとか安く導入のくだりあたりか                                                                                                                                              
今回の映画ではその悪役の設定がものすごくうまい

まず最初にどうも亜空間航路の通行が不可能っていう障害が出てくる まあなにかの伏線かなあとは思わせてくれるんだけどあんまり重きを置かずにさらっと流すのでそこまで印象に残らないけどきちんと思い出せるくらいにしてる

次に偽の軍艦が出てくる(このあたりは弁天丸のスタッフのキャラ紹介的も兼ねている) 新しく開店するレストラン(マミとの絡みでキャラ紹介)ヨット部で市内のネット情報が漏れている ヨット部での会話も盗聴されている(セレニティ姉妹のキャラ酒お買い) 茉莉香の家が襲撃されるってあたりが敵を解明する伏線ってところかな

ぶっちゃけた話敵はトラスト企業っぽいんだけどこうやってどういう悪行を重ねていますよって事とどういう手段でやってますよって事とだからこういう企業が敵なんだって事を説明してくれている

亜空間航路を独占できれば企業が儲かるし偽の軍艦を使えるのは管理している企業だけだしウィルス対策ソフトがマルウェアになってるし盗聴まで全部出来るのはトラスト企業だからってことね

話のキーとしては無限彼方のペットに秘密が隠されていてそれを企業が狙っている→ペットの謎が亜空間航路の新航路発見につながって独占できるので~→無限彼方を保護している茉莉香を狙っている→ヨット部でペットの謎が解明されたので~

ここで亜空間航路の秘密が隠されている惑星だかなんだかを探し出して競争するっていう解決編になっていくわけね

盗聴してるのはクリーニング店のクリップですよって話にもなったりしていたりしてて その前にレストランで配ってたりするマスクがヨット部にあったりで散文的にわりとどんどん伏線を置いていくのはうまかった

それと同時にテレビ版に出てたキャラ全員を登場させていって視聴者を楽しませてくれてる


ただ俺がもったいないって思うのはあんまり話のつながりが無くて一個一個こういうことが起きました→このキャラが解決していくみたいな小さいキーポイントみたいなのを配置していくだけなのよね

最後の最後までどういう結果が話の解決になるのかってのが見えてこなかった

どうも亜空間航路の新航路っていうのが「宝物」になっててそれの取り合いになってるんだけどそれを茉莉香たち弁天丸がみつけてどうしようって言うのよっていう話

それに敵の企業の実態というか象徴とされるキャラがスカーレットだけなので敵として認識するにはちょっと弱いんだよね スカーレットの動機とかの描かれ方も薄いし せっかく過去に無限博士の仲間だったけどって設定があるのに生かし切れてない

最終的には無限彼方が新航路を解放して企業の独占化から航路を守りましたって話になってくるんだけど薄く張った伏線なだけにそこが逆に問題になっていてそれを解決するのが「正義」っていう単純な構図にならないのよね

話の構造とか設定の紹介はすごくうまいんだけど全体の話としては勧善懲悪的な話にスッキリはまらないわけ なのでスッキリして映画終了になってないんだよね

無限彼方の行動というかサイドストーリーの描き方もちょっと薄いので(ほぼ単純に親に反発してただけ)この子を茉莉香が助けるって話をメインに持ってきてるわけでもないしね


オデットII世に新しくレーダー貼りましたとかあんまり登場に意味がなさそうだったチアキちゃんとかも最後に対企業艦隊との電子戦で助けに来るっていうのもすごいよかった 単純にこういうのおもしろいもん

それにスパイアクション的な演出とかヨット部での演劇設定とか出崎演出的な表現があったりとか スケートの子を撮るカメラワークもおもしろかったしモニターに写し取られたキャラとか楽しませる演出もどんどん配置してくれて説明だけに陥りがちな所も楽しませてくれていたのにな

いろいろ盛り込んでいるし電子戦的な説明も(実際にはザルだけど)必要以上にしっかり説明してくれていたのでもうちょっとメインストーリーがしっかりしていてくれたなら傑作だったんだけどな 

すごく惜しい映画だと思いました



2014年2月2日日曜日

THE IDOLM@STER MOVIEとWake Up, Girls!見てきた

どちらかというとアイマスの方の感想を主に書くけど相変わらずネタバレばかりします。
俺としてはアイマスはもうきちんとテレビシリーズで終わったアニメだしここに来て劇場版作るんだったらもう番外編みたいなものだよねと公式HPお見ないで見にいった
まあおおよその所その予想は当たっていて765プロのアイドルたちの未来の活躍が描かれているちょっと未来の続編的な映画だった
もちろん俺としてもそういうのは歓迎でプリキュアオールスターズ的なヒーロー大集合で全員大活躍みたいなものをやってくれればみんな喜ぶじゃんといったところだ
理想をいえばアイマスのことを何にも知らない人が見てもわかる映画の方が世の中からは評価されるんだろうけどこういうお祭り映画は一般ウケしないけど身内には受けるのでそれはそれでOKと思ってる
今回は出だしの映画内映画の予告編がカメラアングルぐるぐる回しながらのアクションやってくれててそれだけで満足だったし、みんな集まってのライブに向けて全員そろっての夏休みの合宿的な映画になるんだなと前半までは思ってた
アイマスの子たちのことはみんな見てるから知ってるのでみんなの掛け合い見てるだけでも情報密度が濃いんですよ
全員キャラ立ちしてるからある子のかける声に全員が違った表情するわけ 俺としてはそういうのを見てるだけでも満足しちゃうんだよね 久しぶりだし
そこで合宿の辺りからバックダンサーで出る子たち(どうも新しいゲームの新キャラらしい)を出してきた
ここでWUGと比べてしまうけどもうアイマステレビシリーズの続編なんだからもう主役の12人はもうチャンピオンですよ もうレベルが上がりまくってすぐに魔王を倒しに行ける状態
WUGの子たちはまだレベル3くらいの駆け出しの勇者でバックダンサーの子らもそれくらいですよ
WUGの最後のライブなんかはわざとだけどダンスなんかもそろって無くしてるしバックダンサーの子らもダンスで失敗したりしてるわけ
でもチャンピオンなアイマスの子たちはもうそんな所でつまづいたりしても何をいまさらそんなものを焼き直してるのって思われるだけなのでそんなシナリオにはしない 当然完勝で突破する そんなの当たり前だ テレビシリーズでもうレベルアップしてきたんだから
だから今回はアイマスの子たちは大活躍でバックダンサーの子たちがレベルアップしていく所に過去の自分たちを照らし合わせて昔との対比での成長後の姿と昔の姿ってことでストーリーを作っていくのかなと思ってた
その辺もだいたい合ってたんだけど可奈って子があまりにつまづきすぎた
この子は春香と対比させるキャラなのかなくらいに思ってたんだけど一度のライブの失敗のあと引きこもって出てこないって展開になる
映画なんでそういうつまづきみたいなものは必要なのでしょうがないけど後半全部使って引きこもってくれるので見てるこっちはスゲエうんざりですよ つうか俺全然知らないキャラだしバックダンサーの1人くらいいなくなっても全然かまわないんですよ アイマスの子たちが活躍するの見にいってるしそういう人たちしか見に来てないんだから
そんで作中で一週間くらいなのかなあ ちょっと時間経過が良くわかんなかったんだけどもっとかもしれない その可奈って子が引きこもってるわけ 
映画としても成り立たなくなるのでその子をどうやって立ち直らせるのかなあとか思ってるんだけどせっかく伏線的に置いてあるはずの春香がサインしたぬいぐるみも返して来ちゃってるんだよね
それでどうやって立ち直らせるかっていうと返信はしないけど何度もメールを打って電話してそれでも立ち直らないから土手で落ち込んでる所にみんなで駆けつけて声かけて励ましたら戻ってきましたとさ
なんかコレ怖くない?俺はワタミ的な途中でやめるから無理になるっていう言葉を思い出してうんざりしたよ
WUGの話もするけど主役の真夢って子も一度アイドルやってたんだけどWUGの他の子たちが頑張ってるのを見ていてやぱりもう一度って事でWUGに参加するわけ
そういうのってやっぱり悩んだりするけど回り道したり考え直したりっていうきっかけがあるから立ち直ったりしてそれが共感を呼んだりするわけで 俺はWUGの噂とか聞いたりしてたから正直バカにしてたけどそういう所をきちんと描いてたから映画として完結してないけどWUGの第一話としておもしろいと思った WUGのキャラがどんな子たちなのかもわかったしね
でもこのアイマスの場合は違っていてアイマスの子たちはどんなことがあろうとも経験値は積み上げていけるもので失敗することはないみたいな怖い信念みたいなものを感じたね
アイマスは元々はゲームだったし頑張れば強くなるのは当然だしそういう所を継承して話を作ってもいいけど
WUGはホントにゼロからのスタートで目指すは紅白とか言ってるけどそこにたどり着けるのかなんかわかんないし
あまちゃんではユイちゃんはどんなに努力しても最後まで岩手を出られなかった(番外編で紅白には出たけど)
でもそれは話としてはOKでそこにたどり着こうとするまでの話がおもしろければいいわけで必ずしも成功がゴールじゃないでしょ
でもこの映画だとそれを許さないんだよね
でもテレビというかアイマスでも律子さんとか小鳥ちゃんとかアイドルじゃなくても別の道をってことを選んでる人もいるよね なんで可奈にはそういう引きこもりから無理矢理(と俺には思えた)引き戻されてそこで成功するって道しかなかったのかな
というか戻るのはいいんだけどきちんとシナリオ練って戻る理由を考えてくださいよ みんなが集まって励ましてくれたから立ち直るなんてそんなのカルト宗教でしょ 
これがアイマスの12人のメンバーの誰かの話だったらずっと昔からの長い友人が手をさしのべてくれたってことになるけどバックダンサーで俺らも主役の子たちもそんなに肩入れする必要ないじゃん
脚本作ってる側からすればみんなの思いが届いたって話なんだろうけど話のバランスがおかしくて落ち込んでる時間が長すぎてみんなの思いだけじゃ立ち直れない所まで落ち込んじゃってると思うんだよね そこを立ち直らせるならきちんとサイドストーリー用意しないとダメだよ 
こんなんで感動したとか思ってもらえるとか甘いよ
それで最後のライブでバックダンサーも大活躍で盛り返してくれるのかなあと思ってたけどそれも無いし
最初の映画内映画でハードル上げちゃってるんだから普通に歌うたってライブやってももうそんなのは普通なんだよ
途中にも何度も歌とダンスのシーンは挟んでるんだから
俺は前半の出来がスゴく良かったから後半の展開がスゴく残念でした
最後にバックダンサーたちの話もきちんと入れてあげれば良かったのに最後はちょい役だし歌ってもいないし
すごく消化不良な映画でした
あとWUGの最初のライブのシーンとアイマスの最後のライブのシーンがほとんど一緒なんですよ
俯瞰で見てサイリウム振り回してるファンがいてってシーンだから似通ったシーンになっちゃうんだけど
WUGはそこにたどり着けないってゴールでもいいと思うのできちんと個人のドラマを描いて欲しいな そういう期待をさせてくれる映画でした パンツを見せてもOKみたいな覚悟も見せてくれたしテレビ版2話みたいなセクハラシーンみたいなのもやってるのわかってるからね そういうのに負けたり葛藤したりするのは話としては充分楽しいので
アクションも画面内の情報密度もずっとアイマスの方が勝ってたけどドラマではWUGの方が勝ってたよ
それほど褒めるほどWUGがおもしろかった訳じゃないけどさ

2014年1月1日水曜日

魔女っこ姉妹のヨヨとネネ見てきた

アニメとしてはおもしろかったんだけどシナリオとしてはかなり消化不良でした(;´Д`)

またバンバンネタバレしますが
話のキーポイントとして機能するはずのテーマとかアイテムが全然リンクしていかない ご都合主義過ぎると不満爆発です
アニメとしての表現はGAINAX仕込みの赤井孝美キャラと貞本義行キャラを引き継いだような柴田由香さんの絵で生き生きとした動きで楽しませてくれました
特にOPあたりの箒に乗って飛び回ったりするシーンの空間っぷりとか上下サカサマっぷりはそれだけ見ても満足なくらいです
だけどシナリオのテーマが点在過ぎて台無しですよ
アキちゃんが怪我した->魔法で直せば大丈夫->ヨヨも怪我したけど魔法で治らない->ビハクが死んだって流れはココ一つ取っても物語の主題になる所でしょう
それにそのあとに病院で新生児を見るっていうシーンまで挿入してるんですから
なんでそういう人の生死っていうテーマを盛り込んでおきながらラストに何にも関係ないのよ おかしいだろ
キセキイシに関しても掘り下げ不足ですよ
キセキイシとソシャゲーをリンクするって話はまあいいんですよ でもそこからの願いをワガママって言ってしまうヨヨとそこから突然みんなを助けたいっていう願いに変わる話のキーとなるものって全くないだろ
ソシャゲーと人々の願いってテーマではガッチャマンクラウズでスゴく良い形で結論づけていたんだけどその後に出たアニメってことを抜きにしてもご都合主義でしょう
キセキイシの発動に関してもアキちゃんのキーが二度になってて被ってますよね
大きいキセキイシとアキちゃんが持ってた石ってことで分けてはいるけどここは別の形でリンクさせないといけないところじゃない?西浦の願いって事で間接的にリンクさせたってことなのかな ちょっと甘いよ 俺はそれじゃスッキリしないね
それに最後まであんまり活躍できなかったトンガリくんももったいない
頑張ってたんだからもうちょっと最後の奇跡に関わらせてあげればいいのに 準主役だろ
ヨヨの紹介シーンの歌のシーンとかもおもしろかったしどこの絵を取ってもスゲエ決まっててかっこいいんですよ
俺の趣味じゃない映画の方へ行ってたドッコイダーやってた頃のUFOテーブルが帰って来てくれたと序盤では大喜びだったのに
でも俺はシナリオに満足してないだけでUFOにはこういう映画をバンバン作って欲しいです
それで脚本やれる人を連れてきましょうよ UFOの人たちならこの映画をもっとおもしろくできるはずです
いいアニメだっただけに残念でならない

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